大判例

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東京地方裁判所 昭和56年(ワ)8696号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

一原告の本訴請求は、公職選挙法第二〇一条の五、六、たばこ専売法、日本専売公社法、弁護士法第二章(弁護土の資格)、第一〇章(法律事務の取扱に関する取締)はいずれも日本国憲法(以下「憲法」と略称する。)に違反する法律であるのに国会議員の公職にありかつ数々の要職にあつた者である被告は右法律を利用し、その存続・維持を積極的に肯定し、原告を含む多くの国民に対し多大の経済的・精神的・身体的損害を与えたとして被告に対し民法第七〇九条・第七一〇条に基づき損害賠償を請求するものである。

しかしながら、憲法上法律の制定権は、国の唯一の立法機関である国会が独占しており(憲法第四一条、第五九条)、国会議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、たとえそれが違法なものであつても、一切の法的責任、すなわち民事上及び刑事上の責任を問われることはなく、従つて、これにより他人に損害を被らせた場合でも損害賠償責任を負うことはないとされている(憲法第五一条)のであるから、仮に原告が主張しているように右公職選挙法、たばこ専売法、日本専売公社、弁護士法がいずれも憲法に違反する法律であり、これらの法律により原告が損害を被つたとしても、その法的責任が問題となりうるのは国の賠償責任のみであつて、国会議員である被告個人が原告の被つた損害の賠償責任を負うことはないものと解するのが相当である。

従つて、憲法違反の法律により損害を受けたことを理由として、国会議員である被告個人に対し、その損害の賠償を求める本訴請求は主張自体理由がないものといわざるをえない。 (清水信雄)

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